人手不足の深刻化が懸念されている看護師という職業には、労働環境にさまざまな課題があります。それらの課題を改善していくためには、働き方改革が必要です。2019年に政府が施行した「働き方改革関連法」では、労働時間を手直しすることや、正規職員と非正規職員の格差をなくすこと、多種多様な働き方を実現することを柱として、さまざまな課題の改善に取り組んでいます。

看護師の働き方改革として、具体的には次の5つが変わりました。まず、時間外労働の上限ができました。残業などの超過勤務が多いことが問題となっていましたが、原則45時間(年間で360時間)以内と決められたことによって、長時間労働の現状が見直されました。次に、労働時間の記録が義務付けられました。この労働時間には朝礼や清掃などの時間も含まれ、客観的に判断できるよう自己申告は認められず、ICカードなどを用いてデータとして残す必要があります。3つめに、有給休暇の取得も義務付けられました。有休は労働者の権利ですが、事業主が看護師に取得させなければならない義務となり、取得が欠かせないものとなりました。

4つめは、同一労働同一賃金の実施です。正規・非正規に関わらず、同じ仕事を同じ責任を負って行うのであれば、同じ賃金を支払わなければなりません。待遇差をなくして現場の不満を解消すると同時に、チームワークの向上も望めます。最後は、勤務観インターバルの努力義務です。勤務と勤務の間の時間をインターバルといい、11時間以上空けるように努力義務が設けられました。しっかりと休むことで疲れを取り、過労による医療ミスを減らす効果が期待できます。